【保存版】髪の処理剤の使用について大事なのは考え方

何のため

処理剤は各メーカーが出していて無数にあります。

細かい違いはあれど、成分が同じであれば近しい効果を期待できます。

処理剤にはカラー用、パーマ用、ストレート用などという区分はありません。

しかし、カラー時とパーマ時、ストレート時では処理の仕方が変わる場合もあれば、同じでも考え方が違う場合があります

それらに共通して言えるのは理論がしっかり頭の中に入っているかどうか、です。

今の髪の状態がこうだからこのような順序でこのような処理が必要というのが明確になります。

髪にいいからとただ処理をしている状態であれば、もしかすると髪の状態によってはその処理剤が逆に邪魔になっている可能性さえあります

その処理剤がどのような効果をもたらし、どんな場合に使えば効果的なのか、しっかり理解したうえで使用するようにしていきましょう。

 

大前提として髪のダメージは元に戻らない

どんな施術やどんな処理の前に、大前提として髪のダメージは元に戻らないということをしっかり理解しておくことが重要です。

じゃあ何のために処理をするのか?という疑問が出てくるかもしれませんが、

  • 髪の今の状態に対して薬剤が狙った反応をさせる状態で施術をするため

もしくは

  • 不必要なものを取り除き出来るだけ健康な髪の状態に近づけたうえで施術を終わらせるため

です。

言葉にすると難しいですが、もう一度念押しすると髪はダメージをすると元に戻らないために、今の現状から良くなることはありません

なので今現在の髪の状態に対して適切な処理をし、かつ適切な薬剤を選んで施術をすることが大事です。

処理剤を使う前に今の髪の状態がどのような状態であるかの診断をしっかりする必要があります。

それは今までの施術履歴であったり、家でのケアの仕方によっても左右されます。

髪の今の現状をしっかり把握することはとても難しいのですが、来店時の髪の状態、シャンプー後の髪の状態、それから乾かした後の髪の状態で大まかに判断はできます。

ダメージ毛の分類としては大きく分けて【親水毛】【吸水毛】【熱変性毛】とに分かれます。

ダメージ毛のそれぞれの特徴について詳しくは

【ダメージ毛の分類】適切な処理をするにはダメージ毛の種類を知る事

に書いているので参考にしてみてください。

ダメージ毛に対する処理の仕方を考えるためには、髪がどのようにしてダメージしていくかをしっかり理解しておかなければいけません

ダメージを受けていった逆の順番で処理をする必要があるからです。

 

毛髪がダメージを受ける順番を知る

髪のダメージはまず1番外側のキューティクルから始まります。

髪の構造がどうなっているかは

【髪の構造編】技術の幅を拡げる美容師のケミカル知識

を参考にしてください。

 

紫外線という自然的な要因に、ブラッシングやドライヤーの熱、濡れている時の摩擦など物理的な要因と、カラー剤やパーマ剤などの薬剤による化学的な要因によって、まず摩擦を軽減しているキューティクルの表面のMEAの損傷から始まります。

そして2層に分かれているキューティクルの下の層のエンドキューティクルを構成しているタンパク質が壊れはじめます

それによってエンドキューティクルに多くの穴が開いていきます

この穴をボイドと言いますが、穴が多くなったキューティクルはコーミングなどによって簡単に剥がれていってしまいます

キューティクルが剥がれていくのと同時にキューティクルとキューティクルの間にあるCMCも流出していきます。

 

キューティクルが剥がれていくと、今度はその内部にあるコルテックスにもダメージが及んでいきます

コルテックスは繊維状の束がより集まって構成されていて、その束同士の間をCMCが駆けめぐり接着しているのですが、まずこのCMCが流出していきます。

そしてコルテックス内部のマクロフィブリル間マトリックスが破壊されていき、ここでもタンパク質が壊れ穴があいていきます

更にダメージが進んでいくとミクロフィブリル間マトリックス(非結晶性ケラチン)が壊れはじめ、タンパク質の流出によって髪の強度が損なわれていきます

コシがなくなり引っ張ると伸びて切れやすくなります。

さらにダメージが進むとビビり状態になります。

最後にはミクロフィブリル(結晶性ケラチン)まで分解されて髪が切れます。

この状態の時にはメデュラも沢山の穴があいているから切れてしまうのです。

もともとメデュラは多孔質構造で穴があいていますが、ダメージにより穴が多くなってしまうからです。

 

このように毛髪のダメージは外側から内側へとダメージが進んでいきます

このことから処理をしていく順番としてダメージしていった逆の順番で内側から補修していく必要があるのです。

 

処理の順番と考え方

1章でも触れましたが、髪は1度傷むと元には戻りません。

処理は【補修】です。

補いつくろうだけということをしっかり理解しておいてください。

つくろっているだけです。

治すわけではありません。

 

まずダメージした髪の補修するべき箇所は穴です。

ダメージによって穴があいた部分を埋める必要があります。

髪は高分子のケラチンと、中、低分子のタンパク質とアミノ酸に皮脂成分で構成されているので、ダメージが大きければ大きいほどこれらをすべて補う必要があります。

低分子のpptだけだと大きな穴はふさがりません。

高分子ケラチン、中、低分子のタンパク質やアミノ酸の処理剤を使うことで大きな穴を隙間が少なく埋めることができるのです。

処理の仕方としては揉みこみつつ、蒸す加温がより効果を高めてくれます

 

これで穴があらかた埋まりますが、実際の髪はCMCが繊維の束の間を縦横無尽に駆け巡り接着しています

残る隙間を埋めつつ水分保持、これから何かしらの施術をする時には薬剤の浸透を助けるためにも処理にはこのCMCが必要です。

ここでもミストや加温をする事でより効果を期待できます。

 

ダメージのある髪はアルカリ性に傾いていることが多いのでキューティクルが開いています。

酸処理(バッファーなど)でキューティクルを引き締めることで補修した成分が少しでも抜け出にくいようにしていきます。

これは施術を終わらせる前の考え方ですが、逆に今からカラーやパーマの処理をするのであればキューティクルが開いているままの状態を利用したうえで薬剤の種類を選んでいきます。

 

最後に疑似キューティクルとしてキトサンなどをコートしていくことで髪表面を整えていきます。

 

このようにダメージした順序の反対、内側から補修していくことが処理の順序です。

間にカラーやパーマなど薬剤を使用する施術で抜け出る成分を補修したりするのが中間での処理の考え方で、後処理に関しては髪の内部に不必要なものを取り除きつつ、必要な成分の補修をするということが後処理での考え方になります。

施術の内容によってどこに作用し、どのような反応をしているかによってダメージの仕方も抜け出ていく成分も変わります。

それに合わせた処理をすることによって髪を健康な状態へ近づけたうえで施術を終わらせることで、スタイルをより良い状態に保つことができるのです。

ただ処理をすればいいというわけではありません。

不必要な処理や間違った処理の仕方をすることで逆に薬剤の反応を阻害したり、髪の内部に不必要なものを抱え込んだまま施術を終わらせてしまう可能性があるということをしっかり理解しておきましょう。

 

最後にもう一度書いておきます。

処理をするのは

  • 髪の今の状態に対して薬剤が狙った反応をさせる状態で施術をするため

もしくは

  • 不必要なものを取り除きできるだけ健康な髪の状態に近づけたうえで施術を終わらせるため

です。

処理をするには何のためなのか?という考え方が大切だということをしっかり理解しておきましょう。

 

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