【弱酸性カラー編】ダメージ色落ち表現の幅も含めて髪をいたわる

いたわりの心

髪は弱酸性だからこの弱酸性カラーは髪になんとなく良さそう。

というイメージをもつ方も多いでしょう。

よく弱酸性カラーはダメージがないと表現されます。

弱酸性カラーの原理でいくとある意味ないと言いたくなるのもわかりますが、しかし髪の構造やダメージが出る原理がわかると実際には全く出ないわけではないことがわかります。

髪の作りについての詳細は

【髪の構造編】技術の幅を拡げる美容師のケミカル知識を、

カラーでのダメージの出方の種類については

【アルカリカラー編】よく使うからこそ知るべき~美容師のケミカル知識~

のダメージのところを参考にしてみてください。

確かにアルカリカラーに比べるとダメージが少なくなるのは間違いありません。

しかしアルカリカラーにはできて弱酸性カラーにはできないこともあります。

しっかり理解をして髪の状態に合わせて使い分けられるようになってほしい。

 

弱酸性カラーとは?

弱酸性カラーは名前の通り弱酸性のカラー剤です。

弱酸性カラーもアルカリカラーと同様にファッションカラーグレイカラーがあります。

そして主に既染毛に使用します。

理由は明確で、明るくならないからです。(色素とトーンによっては見た目で明るくみえる場合もある)

退色した髪に色を入れる時に使用するものと思ってもらったらいいでしょう。

アルカリカラー編を読まれた方はわかると思いますが、アルカリカラーはアルカリ剤がキューティクルを開いてアルカリ剤と酸化剤がメラニン色素を分解、同時に染料が中に入って反応し発色、定着の流れですよね。

詳しくは

【アルカリカラー編】よく使うからこそ知るべき~美容師のケミカル知識~

をご覧ください。

このアルカリ剤自体が弱酸性カラーには存在しません。弱酸性ですし。

じゃあキューティクルが開かないなら染料が中に入らないなら意味ないじゃないか?と思うかもしれません。

ところが、弱酸性カラーはpH値が6~6.5で、髪の等電点(pH4.5~5.5)より若干アルカリよりです。

アルカリ側に傾くとキューティクルが開いていきます。

また、濡れると水素結合が切れ、これでもキューティクルが若干開きます。

アルカリ剤で無理やり開くのとはわけが違うのは理解しておきましょう。

それだけでなく既染毛自体がすでにキューティクルの損傷などカラー剤が中に入りやすいという土台があります。

これらのことからアルカリカラーのように無理やりキューティクルをこじ開けて染めるというより、優しく染料を中に送り込むというイメージです。

その後の反応の仕方は同じです。

染料と酸化剤である過酸化水素水(酸素)と反応して発色、分子同士結合し大きくなりキューティクルの隙間から出にくくなることで髪内部に定着する。

アルカリカラー編でも触れましたが、弱酸性カラーのオキシ濃度は大体が3%を使います。

染料の発色につかうもので、リフト力に使う必要がないからです。

しかし髪の状態や希望の色味、彩度によって5%を使う場合や2.8%、2.4%など使い分けをする美容室もあります。

このように種類がわかれるのはあまり傷みにくいと言われる弱酸性カラーにもデメリットがあるからです。

アルカリカラーのpH値がアルカリ領域で作用するのと違い、弱酸性カラーは酸性領域で発色するために若干濁りやすい傾向にあり、かつすでにダメージが進んでいるために色味が濃く発色することで色の沈み込みがおこりやすいのです。(メーカーによっては対処したカラー剤もラインナップされています)

お客様の要望(透明感がほしいなど)によってこのようなデメリットに対処するために彩度を出しやすい5%を選択する場合があります。

2.4%のものはアルカリ中和剤が含まれているものもあり、まず先にアルカリカラーなどで一度ハイトーンにしたあとに流して上から弱酸性カラーをのせる場合などに使用されます。

カラー剤をのせた時に残留アルカリを除去して必要以上のメラニン色素の分解をしないためなどに用います。

弱酸性カラーのグレイカラーも原理は同じです。

ただ染料の種類の配合が違うというものです。

茶色味が多く配合されていて既染毛の色の落ちてきた白髪にもしっかり濃く色が入るというもの。

ここでしっかり覚えておいてほしいことを書いておきます。

  • 弱酸性カラーにはアルカリ剤が含まれていないので明るくならない
  • 既染毛に使用する
  • 色が沈み込みやすい
  • 彩度が出しにくい

この点はしっかりおさえて使い分けていきましょう。

 

弱酸性カラーのダメージについて

前述でも書きましたが、弱酸性カラーはよくダメージのないカラーと表現されますがカラーの施術をするとダメージはでます。

主に物理的な原因でどうしてもダメージは出てしまいます。

アルカリカラー編でも触れているので、ここでは補足を書いていきます。

 

後処理も同様なのですが、アルカリカラーではpH値の調整のためにアシッド処理をしてpH値を8程度まで下げてホームケアで1週間ほどをかけて徐々に等電点に戻していくようにした方がいいと解説しました。

じゃあ弱酸性カラーはしなくてもいいのか?と考えるかもしれませんが、した方がいいと言えます。

弱酸性カラーはもともと酸性域ではあるのですが、pH値は6~6.5です。

ほんの少しの差に感じますが、しっかり安定した等電点に戻しておいたほうが色持ちも髪のダメージに対しても良いのです。

また、弱酸性カラーをする際には大体根元も一緒にアルカリカラーをすることが大半を占めます。

新生毛と既染毛との境はどうしてもアルカリカラーと弱酸性カラーのどちらもかぶせる必要があります。

そこをどれだけきれいに馴染ませられるかは技術の差がはっきり出るところなので腕の見せ所ですが、出来るだけコーミングで馴染ませないようにすることです。

コーミングするとアルカリカラー剤が意図せず必要以上に既染毛にもついてしまいます。(あえてそうする方法もあります。ダメージはまた別の話でデザイン的になど)

それによって出したくない既染毛部分にもダメージが出やすくなるのです。

弱酸性カラーはアルカリカラーと併用することが多いからこそ気をつける必要があるということを理解しておきましょう。

 

弱酸性カラーまとめ

いかがでしょうか?

弱酸性カラーのことがしっかり理解できると髪の状態次第でアルカリカラーと違い、薬剤による必要以上のダメージを抑えることができます

弱酸性カラーは彩度が出しにくい色が沈み込みやすいというデメリットがありますが、カラー剤も改良されわりとキレイに発色するようになってきています。

それとは別にオキシの使い分けでも狙った彩度に近づけることもできます

また、色味別で発色時間が違うということも放置時間に影響するところなので知って欲しい。

色味別での発色時間の違いについては

ヘアカラーで狙った色を出すために知っておくべき2つのこと

を参考にしてみてください。

そして何より狙った色味を出すのに無視できないのが補色です。

補色については

【ヘアカラーと補色】無視できない美容師のケミカル知識

を参考に薬剤選定をしてほしい。

 

最後に補足ですが、ブリーチはpH値が11~12の間になります。

アルカリカラーは大体pH9~11の間なのでアルカリカラーよりも高くなります。

アルカリカラーの時の後処理でも触れましたが、アルカリに傾いている髪を急激に酸性に戻すと過収れんをおこして手触りが悪くなりやすいだけでなく色味の変色もおこしやすい

なのでアシッド処理をして美容室では大体pH値8くらいまでで留めて家で1週間くらいかけてホームケアで徐々にpH値を正常値に戻すのが望ましい

ブリーチした後に弱酸性カラーで色味を入れたい場合にはその場で一気に施術するよりも日にちを置いたほうがよりよいスタイルを提供できます。(実際問題そのような方は稀でそんな方法をとるのは難しいですが知識として

希望の色が出しにくいということは覚えておきましょう。

ダメージよりも希望の色重視という方もいるでしょう。

その場合にはアルカリカラーを選択することも1つの方法なので覚えておきましょう。(ダメージ行き過ぎによる変色もあるので診断は大事)

弱酸性カラーはハイダメージ毛の場合アルカリ性から一気に酸性に傾くので色の沈み込みがおこる可能性が高くなる場合があります。

処理剤や水分調整などによって沈み込みを防ぐことにより希望の発色を叶えやすくなることも頭に入れておきましょう。

ケミカルの知識が深くなってくると希望の色味や彩度、今の状態に施術内容によってどのように薬剤や施術、処理をチョイスすればいいのかがより明確になります。

しっかり自分の中に落とし込んで使い分けていきましょう。

 

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