【ヘアマニキュア編】きらめくツヤを求めてするコーティングの正体

鮮やか

ヘアマニキュアをするとコーティングをするからツヤもでるし手触りも良くなるダメージレスなカラーと言われますが、ヘアマニキュアもダメージはでます

確かにアルカリカラーやブリーチに比べれば格段にダメージは少ない。

しかしヘアマニキュアとはどんなもので、どのような仕組みで染まるのか、どんな結果をもたらすのかがわかれば少し捉え方は変わってくるはずです。

しっかり理解をしてお客様の要望を叶えるのに適している場合にメリットデメリットを伝えたうえで施術をしていくようにしていきましょう。

 

ヘアマニキュアとは?

ヘアマニキュアは酸性カラーとも呼ばれます。

酸性域のカラー染毛料で、アルカリカラーやブリーチとは染まる仕組みがまったく違うということをまず理解することが大事です。

ヘアマニキュアは髪自体を明るくするものではありません。

今現在の色に対して色がつく、というイメージで捉えてもらえばわかりやすいと思います。

しかし色味によっては黒髪にヘアマニキュアをしたら明るく見える場合もあります。

髪自体は明るくはならないということをまず理解しておきましょう。

そしてヘアマニキュアの利点で大きくあげられるのが鮮やかな色彩を表現できるというもの。

これは通常のアルカリカラーや弱酸性カラーでの表現よりもさらに鮮やかに色彩を表現できます。

ヘアマニキュアの染まる場所はキューティクルと、表面近くのコルテックスの部分になります。

染まる原理ですが、イオン結合を利用して染まります

ヘアマニキュア自体はマイナスイオンをもつ染料です。

髪は健康な状態(傷みがない)であれば等電帯のpH4.5~5.5で、ちょうどプラスイオンとマイナスイオンが釣り合っている状態です。

そして髪は酸性に傾くことでプラスの電気を帯び、ヘアマニキュアのマイナスイオンと磁石のようにプラスとマイナスがくっつくことで定着し染まるのです。

イオン結合はそこまで強くない結合なので色落ちが早いのがデメリットですが、それを補うためにベンジルアルコールなどによって髪内部に染料を浸透させコルテックスの表面付近にも染料を定着させることによって色持ちをはかっています。

また、ヘアマニキュアは爪のマニキュアと同じようにコーティングをしているようなものです。

ヘアマニキュアをした後の施術(カラーやパーマなど)に影響があるということもしっかり理解しておきましょう。

 

ヘアマニキュアの施術の流れをみていきましょう。

  1. シャンプーで髪の汚れやスタイリング剤を落とした後、先に前処理してからバッファー(酸リンスなど)処理して髪を酸性領域にする。トリートメントはしない
  2. プロテクトクリームで生え際をカバー。(肌につくと落ちにくいため)
  3. ヘアマニキュア塗布(地肌につけないように根元ギリギリから塗布)
  4. 加温放置後シャンプー。

 

①でまず先に前処理するのは髪が酸性領域にいくとキューティクルが閉じて入りにくくなるためです。(ダメージのある髪はアルカリに傾いていることが多いしキューティクルが開きぎみ)

また、上で書いたようにヘアマニキュアはキューティクルと表面近くのコルテックスに染料がつく形なので後からだと入りにくい。

しかし前処理しすぎても染まりが悪くなるので必要な分だけの処理に留めるようにしましょう

そしてバッファー処理するのは、水に濡れてpH値がアルカリ側に傾いているのを酸性領域にするためです。

水のpH値は7の中性ですが、髪の等電帯のpH4.5~5.5でプラスイオンとマイナスイオンが釣り合っているのに対してアルカリ側に傾くのでマイナスイオンが増えてしまうため。

ヘアマニキュア自体がマイナスイオンをもつ染料なので、染まりをよくするためにバッファー処理をするのです。

また、カラー、ブリーチやパーマの後などアルカリ処理した施術の後にヘアマニキュアをする場合にも染まりを良くするためにバッファー処理をする必要があります。

しかしこれにはデメリットがあるのでできれば日にちをあけたいところ。

詳しくは

【弱酸性カラー編】出来るだけ髪をいたわりたい美容師のケミカル知識

で触れているのでそちらを参考にしてください。

そしてトリートメントをしない理由は想像の通り染まりを良くするためです。

トリートメントで髪表面に膜をはられると染まりに影響してしまいます。

のプロテクトクリームを塗るのは単純に肌につくと落ちにくいため。

リムーバーもあるので多少は落とせるのですが、完全には落とせないのでプロテクトクリームを塗るのです。

のヘアマニキュアの塗布は大体が根元はリングコームでそれ以外はハケで塗布することが多いと思います。

根元ギリギリから塗布するのにリングコームが適しているからですね。

ではヘアマニキュア塗布後はラップを巻いて加温放置がしっかり染まりやすい。

イオン結合は加温することで促進されやすいのでより定着しやすくなります。

ダメージのことを考えるなら最初の5~10分を加温し、残りはローラーを外して放置、トータル20~25分おいたあとはラップを外して5分のクーリング後にシャンプーという流れがマストでしょう。

 

ここでしっかり覚えておいてほしいことをあげておきます。

  • ヘアマニキュアは髪自体を明るくできない。
  • 鮮やかな色彩を表現できる。
  • イオン結合でキューティクルと表面近くのコルテックスに作用して染める。
  • コーティングするのでその後の施術に影響がある
  • 地肌につくと落ちにくい

これらはしっかり理解しておきましょう。

 

ヘアマニキュアのダメージについて

ヘアマニキュアは傷まないカラーでツヤやハリも出ると思われていることが多いですが、あくまでアルカリカラーなどに比べるとという話でまったく傷まないというわけではありません

コーミングなどによる物理的なダメージが出ることは他の記事でも散々説明してきましたがそれだけではありません。

ヘアマニキュアでダメージに大きく影響するのがヘアマニキュアに含まれるベンジルアルコールとエタノールです。

このベンジルアルコールらは曲者です。

ヘアマニキュアはイオン結合を利用して染めるので色落ちが早くなりがちなのでそれをよりしっかり染めるために髪内部表面付近への浸透する目的で含まれている必要なものです。

ヘアマニキュアが染まる仕組みはこのベンジルアルコールらの効果が大きな役割を持っています。

必要ですよね。

しかしこのベンジルアルコールらはキューティクルの表面にあるMEAを破壊していきます。

MEAの役割は髪の摩擦を軽減し、手触りにも影響する大事なものです。

毛穴からでてくる皮脂を毛先まで伝わらせる役割も担っていて、ツヤにも関係しています。

このMEAがあることにより摩擦を軽減できるので結果キューティクルの剥離も軽減してくれているのです。

ベンジルアルコールらはヘアマニキュアをしっかり染めるために必要ではありますが、ツヤや手触り、キューティクルを守る働きがあるMEAをも破壊してしまうということも理解しておきましょう。

ヘアマニキュアのもちは大体3週間から1ヶ月と言われます。

お客様から、『ヘアマニキュアが落ちてきたころになんか手触りが悪くなったんです。』と言われた時にあなたは何と答えているでしょう?

ヘアマニキュアが落ちてコーティング力がなくなったからというのは間違っていませんが、正しくはありません。

手触りに影響する髪表面のMEAが破壊されてしまっているからです。つやにも影響しています。

こんな専門用語を出してもお客様の頭の中には?しか浮かびません。

施術に入る前に前もって『ヘアマニキュアも髪の表面にある手触りやツヤに影響する部分を壊すから落ちたときに手触りが悪く感じることがあります』と一言伝えておきましょう。(アルカリカラーなども同様に壊していくので、ヘアマニキュア、という表現)

また、ブリーチをした後やダメージのある髪に対してヘアマニキュアを施術する際にアルカリ性から一気に酸性に傾けることで過収れんをおこすことで手触りが悪化することもあります。

ゴワゴワするというような感じ方が一般的な過収れんをおこした際の手触りです。

このような施術をとる前にも説明しておくことが大事です。

ヘアマニキュアをする前にカウンセリングでこのようなデメリットもあるということもしっかり伝えておく必要があるということをしっかり覚えておきましょう。

しかしダメージ度合いでいくとブリーチはもちろん、アルカリカラーなどに比べるとヘアマニキュアのダメージは格段に少ない方です。

メリット、デメリットをしっかり説明したうえでお客様に選んでもらうようにしていきましょう。

 

ヘアマニキュアまとめ

ヘアマニキュアは傷ませずにツヤや手触りをよくするという優れたものだけではないということがわかったのではないでしょうか?

ブリーチやアルカリカラーに比べれば格段にダメージが少ないということも合わせて理解できたはずです。

染まる仕組みがわかれば色持ちがどうして他のカラー剤よりも早いのかも理解できたことでしょう。

もちろん色彩の鮮やかさを表現するのにはヘアマニキュアは最適なカラー施術でもあります。

どんな施術でもメリットデメリットはあるものです。

それらをしっかり理解してもらったうえで、お客様の要望を叶えるのにヘアマニキュアが最適であればしっかりした処理での施術を行えばいい。

イオン結合を利用するのでpH値の調整などしっかり処理を行うことも大切です。

ヘアマニキュア後のシャンプーもヘアマニキュア専用シャンプーを使うとより良いです。

また、家に帰ってからのケアの仕方もしっかり伝えていきましょう。

シャンプーやトリートメントもヘアマニキュアに適したものを選ぶようにしてもらいましょう。

美容室で販売しているのでしたらおすすめをするべきです。

使用しないはお客様の判断に任せるだけでよいのですから。

また、ヘアマニキュアをしている髪を再度アルカリカラーやブリーチなどで明るくしたりする場合には注意が必要です。

色味が残っていると抜けないことの方が多い。

ヘアマニキュア後のカラーチェンジは本当に大変なのです。

完全に抜けるまで日にちを置いてもらうのが1番なのですが、どうしてもという場合にはヘアマニキュア落としを使用する必要があります

しかしこれはこれで髪のダメージが進みます

ヘアマニキュアをされていてパーマ液の1剤をかけると一気に色が落ちているのを見たことがあるのではないでしょうか?

これと同じようなものです。

モノエタノールアミンなどのアルカリ剤でキューティクルを開き、ベンジルアルコール(また出てきましたね)、メチルピロリドンなどの浸透剤で毛髪内部に浸透して染料を溶かしだします。

その後還元剤のシステインが染料を分解して色を落とすという仕組みです。

マニキュア落としという名のパーマ剤みたいなものですからもちろんダメージでます。

ブリーチしてる髪にヘアマニキュアしている染料を落とすのに使うと毛先がビビる可能性もあります。

私個人的にはヘアマニキュア落としは使用しない方がいいと思うレベルです。

出来るだけ抜けるまで根気よく待ってもらう方がいいでしょう。

今の髪の状態がどんなものか、今後のスタイルをどうしていきたいか、ヘアマニキュアをする時はすべてを踏まえてお客様にしっかり説明したうえで施術をするようにしましょう。

 

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