【コールドパーマ編】基本だからこそ外せないパーマの仕組み

ベーシック

コールドパーマの中にも一般的なベーシックのパーマとは別に水パーマやクリープパーマなど種類がわかれます。

その中でも今回はベーシックなパーマについての詳細を書いていきます。

かけ方の種類ではなく薬剤にも種類があり、どのようなものなのかを知ることで使い分けができ、髪の状態に合わせてお客様の要望を叶えやすくなっていきます

当たり前のようにロッドを巻いて1剤2剤を使用してカールを作っていますが、どのような原理でカールを形成しているかをしっかり理解することが、スタイルを作り続けていくことに大きく影響します。

しっかり自分の中に落とし込んで使いこなしていきましょう。

 

コールドパーマのかかる仕組み

パーマのかかる仕組みを理解するために、まず知るべきは毛髪の4つの結合についてです。

 

  • ペプチド結合

アミノ酸の基本的な隣り合う主鎖同士が横に繋がる結合です。

強度や弾力にも影響する結合で、過度のアルカリ剤、過酸化水素で加水分解されて切断します。

  • シスチン結合

システインの2分子が結合したもの。

システイン分子はイオウ原子を含んでいて、イオウ原子同士が繋がりあったもの。

  • イオン結合

プラスイオンとマイナスイオンの結合。

静電気的な引力による結合。

  • 水素結合

水素原子をなかだちとして隣接した分子同士が引き合う結合。

 

難しいかもしれませんが、単純に上から順に結合が強いと思っておいてもらえたら大丈夫です。

 

これらを念頭に置いたうえで説明していきます。

パーマの1剤にはアルカリ剤還元剤(チオグリコール酸やシステイン)が含まれています。

1剤をつけるタイミングはつけ巻き巻き終わったあとかで変わります。

1剤を塗布することでアルカリ剤がキューティクルを開き、還元剤が毛髪内部に浸透していき反応するのですが、その工程で毛髪の4つの結合のうち3つを切断します。

  • 水素結合薬剤塗布(濡れること)で結合を切断
  • イオン結合はパーマの1剤の大半がアルカリ性なので毛髪のpH値がアルカリ性に傾くことで結合を切断
  • シスチン結合1剤の還元剤による還元作用(水素を付加したり酸素を奪ったりする)で結合を切断(実際には強い薬剤でも約20%ほどしか切断しない)

というようなことが毛髪内部でおこっています。

 

そしてロッドを巻いていることによって髪の形状が変化しています。

希望のスタイルにするための1剤での反応が充分であるかチェックをし、充分と判断出来たら中間水洗をします。

毛髪のダメージの状態に合わせて適切な中間処理も行います。

ロッドに巻かれて毛髪の形状が変化している状態で2剤を塗布することで、2剤に含まれている酸化剤(過酸化水素や臭素酸塩)が切断したシスチン結合をその形のままで再結合し、ウェーブを固定していきます

2剤の有効成分である過酸化水素や臭素酸塩は酸素を放出することで切断されていたシスチン結合を再結合するのです。

こうやって酸素を与えたり、水素を奪ったりすることを酸化と呼びますが、その酸化の働き方が過酸化水素はアルカリ性で強く臭素酸塩は酸性で強くなります。

ここまででわかる通り、1剤で結合は3つ切断されますが、2剤ではシスチン結合の1つのみ再結合します

後処理で出来るだけ髪のpH値を等電点に戻すことでイオン結合を再結合し、乾かすことで水素結合も再結合されてウェーブを固定するというのがパーマのかかる仕組みです。

もの凄く簡単に書くと、1剤で毛髪内部の結合を切断し、ロッドで形作り、2剤と後処理で固定というものです。

 

パーマのかかる仕組みに関しては以上をおさえておけばいいのですが、パーマのウェーブのかかり具合をコントロールする薬剤の要因は以下の6つがあげられます。

  1. アルカリ剤の種類
  2. アルカリ剤の量
  3. 還元剤の種類
  4. 還元剤の量
  5. pH値
  6. 2剤(酸化剤)の種類

6つの要因のうち1つ変わるだけでウェーブのかかりが変わります。

アルカリ剤の種類はわかりづらいかもしれませんが、還元剤の種類はわかりやすいでしょう。

コールドパーマで使用されるもののうち代表的なものがチオグリコール酸とシステインです。

(更に細分化していくとチオベースにシステインを混ぜたチオシスと、シスベースにチオを混ぜたシスチオなど多岐にわたりますが)

還元力の数値は同じでもパワーが違うので還元作用(還元する力=結合を切る力)でいくと

  • チオグリコール酸 > システイン

というのが還元剤の種類だけでみた構図になります。

なのでシステインはパワー不足を補うためにpH値がチオグリコール酸よりも高く設定されています。

2剤の薬剤選定によっても変わってきます。

過酸化水素水と臭素酸ナトリウム(ブロム酸ナトリウム)がありますが、それぞれに特徴があります。

  • 過酸化水素酸化作用が強く、時間は短くなります

また、ヘアカラーの退色をおさえられ、反応後に水しか残らないのでしなやかなやわらかいカールを作れます。

  • ブロム酸酸化作用が穏やかなために時間をしっかりおく必要があります

塩せき効果でハリが出やすいのも特徴です。(内部に髪本来の成分以外のものが残ってしまうので一概によいとはいえない)

 

お客様の要望がどんなものであるか、かける前の髪の状態がどんな状態かによってしっかり判断していきましょう。

 

コールドパーマのダメージについて

コールドパーマのダメージは薬剤によるダメージ物理的なダメージによっておこります。

パーマの1剤の大半がアルカリ性(酸性の1剤もありますがここでは除外)なのはアルカリ剤が配合されているからです。

そして1剤には還元剤も含まれていますが、この2つがそれぞれ髪に対して化学的な反応をすることが薬剤によるダメージの要因の第一にあげられます。

アルカリ剤がキューティクルを無理やり開き、かつイオン結合も同時に切断、還元剤がシスチン結合を切断。

これはパーマをかけるうえで必要不可欠なのである意味仕方がないのですが、希望のウェーブに対して必要以上の還元(結合を切る)をさせないことがまず大事です。(薬剤選定や放置時間が適切でないなど)

 

次に1剤の反応が終わった段階で中間水洗により1剤を流していきますが、この水洗の不十分さにより1剤が残ってしまうことによるダメージの促進もあげられます。

 

そして大事なのは2剤の塗布ムラです。

2剤によって1剤で切ったシスチン結合を再結合させるわけですが、ムラがあることにより結合が戻らない部分ができてしまうことによって毛髪にダメージが出てしまいます。

なのでパーマの2剤は2度付けが推奨されています。

ロッドを持ち上げて1本1本裏にもしっかり塗布、ロッドを外して残った2剤を揉みこみながら塗布などするとムラはなくなりやすくなります。

(過酸化水素の場合は酸化作用させ過ぎ防止で1度で丁寧にスピーディーに塗布、外して塗布にすることが多い)

2剤処理でpH値も少しは下がりますが、それでもまだアルカリ性のままであることが多い。

なので後処理としてアルカリ剤や過酸化水素の除去、バッファー剤などでpH値の調整をします。

しない場合にはpH値が戻らないのでキューティクルが閉じずに内部の水分、CMC、栄養素の流出、イオン結合が完全に再結合されないためにパーマのダレや強度低下につながります。

 

これらが薬剤でのダメージになるので、できるだけダメージを少なくできるように施術していきましょう。

また、pH値を戻すのもアルカリ性に傾きすぎているのを急激に酸性に戻すと過収れんをおこすのでゴワつきも気になるところです。

参考までに過酸化水素のpH値は3程度(しかし過酸化水素はアルカリ性でより働く)臭素酸ナトリウムはpH値6程度です。

 

物理的なダメージについてはコーミングロッドを巻く際のテンションのかけ具合などがあげられます。

髪は濡れていると水素結合が切れているので少し伸びます。

これがつけ巻きならさらに結合を切っているのでまだ伸びます。

その状態で2剤で再結合させると無理やり伸ばした状態で再結合されますが、ペプチド結合や残っているシスチン結合、コルテックスの移動が充分でない(クリープ化の工程は通常のパーマだと不十分でおわる。くわしくはクリープパーマ編で書きます)などの理由により元に戻ろうとして結果ダメージ具合によってはビビることもあり得ます

出来るだけノーテンションでかけることがダメージを最小限におさえることになるので気をつけるようにしましょう。

 

コールドパーマまとめ

ここまででコールドパーマのかかる仕組みとダメージの要因が理解できたかと思います。

パーマ自体がかかる仕組みはどのパーマでも基本は同じです。

結合を切って作っている形で再結合させることでカールを形成しているということをしっかり理解しておきましょう。

パーマの1剤の使用する薬剤の種類で仕上がりの質感に影響があります。

もちろん2剤で過酸化水素水を選ぶかブロム酸を選ぶかでも変わってきます。

また、アルカリ剤の種類によっても反応の早い遅いが分かれます。

お客様の髪の状態によってもパーマのかかりは大きく左右されるので毛髪診断自体も重要です。

もちろん基本短い方から長い方へ髪は流れるのでカットも重要です。

 

まず大事なのはあなたの美容室に置いてある薬剤がどんなものなのかを知ることが大事です。

お客様の要望に合わせて適切な薬剤選定をするようにしていきましょう。

 

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