【アルカリカラー編】よく使うからこそ知るべき種類と仕組み

アルカリカラー

ひとえにアルカリカラーと言ってもその中にも種類があります。

大きく分けるとファッションカラーと呼ばれる一般的なカラーと白髪を染めるグレイカラーですね。

他にも弱アルカリカラー、微アルカリカラーなど呼び方もさまざまで細かく分けるとまだありますが、まずは基本のこの2つについて詳しく書いていきます。

深く知ることでどのように使い分けるかなど技術の幅にも直結してくるのでしっかり自分の中に落とし込んでいってください。

 

アルカリカラーとは?

アルカリカラーは1剤と2剤を混ぜた混合液を塗布していくカラーになります。

主な成分として1剤には【酸化染料】【アルカリ剤】、2剤は【酸化剤】である過酸化水素水です。

1剤の酸化染料とアルカリ剤の割合はトーンのレベルによって変わります。

レベルが高くなるにつれてアルカリ剤の配合量が増えていきます。

8トーンより12トーンの方がアルカリ剤が多く含まれているのです。

トーンのレベルが上がるにつれて明るくなり、色素が薄い理由はここにあります。

そしてグレイカラーはというと酸化染料に含まれる茶色味の割合が違います。(酸化染料の種類の配合が違う)

ここが通常のファッションカラーと大きく違うところです。

酸化染料の茶色味の配合が多く、入れたい色味(アッシュ、レッドなどの色素)の割合が少なくなっているので白髪にもしっかり濃く染まる仕組みです。

また、日本の2剤は基本的には大きく分けて6%と3%にわかれています。

使い分けについては後で書いていきます。

 

アルカリカラーの染まる原理として

  1. 1剤中のアルカリ剤がキューティクルを開いて混合液が髪内部へ浸透
  2. 1剤中のアルカリ剤によって2剤の過酸化水素水が反応して酸素を発生させる。その酸素が発生する過程でメラニン色素の分解をして脱色しつつ、その酸素が同時に染料を発色させる。(酸化染料は酸素と反応しない限り無色)
  3. 発色した染料の分子がくっつき合って大きくなることで開いたキューティクルの隙間から出ることなく髪内部に定着する。

という工程を経ることで髪は染まります。

これらのことによりトーンレベルが高くなるにつれて明るくなる理由がわかると思います。

1剤に配合されているアルカリ剤の量が多いことによってその多く含まれるアルカリ剤と過酸化水素水がより多くのメラニン色素の分解をするからです。

色素が低レベルのカラー剤より薄くなるのは配合されている酸化染料の割合が少ないためにそのような結果になります。

また、アルカリ剤が多いことによりキューティクルがより開きやすくなっていること、メラニン色素の分解される量が多いことも理解しておきましょう。

グレイカラーでもトーンのレベルによって明るさが変わるのはファッションカラーと同じです。

 

そして2剤も大きくわけて6%と3%(メーカーによっては5%や2.8%、2.4%にプラスでアルカリ中和剤を含むものもある)がありますが、この%は過酸化水素濃度をあわらしています

基本的に過酸化水素濃度が2%を超えるとブリーチ作用(メラニン色素の分解)が発生します。

そして過酸化水素濃度が高くなるほどブリーチ作用が大きくなります

既染毛に明るさをそこまで変えずに色味をのせたい場合に3%を選ぶ理由がわかりますよね。

『じゃあグレイカラーは色味を入れたいんだから3%でいいんじゃないか?』

というような発想がでることでしょう。

3%でも結論をいうと染まりますが、6%の方がしっかり染まります。

カラーが染まる仕組みをしっかり理解できればよくわかりますが、まず前提として白髪自体は健康毛(パーマもストレートも何もせずダメージがほぼないという過程であれば)です。

色がないだけのキューティクルもしっかりある状態の髪を染めるのです。

キューティクルをしっかり開ききらないと染料が充分に入っていかず発色が不十分に終わってしまうからです。

グレイカラーも既染毛で明るさが今より明るくするわけでなければ3%を選びます。(この場合は弱酸性カラーの方を選ぶ場合が大半

理由もファッションカラーと同じです。

そして1番大事なところが、アルカリカラーという名前の通り、pH値がアルカリに傾きます

髪は健康毛であればもともと弱酸性のpH値が4.5~5.5程度です。

アルカリカラーをした後の後処理が大事になってきます。

これは下で書くダメージの章で書いていきます。

 

また、カラーで痒い、痛い、赤くなるなどアレルギー反応がでることがあります。ひどい時には水ぶくれをおこす場合もあります。

これらは主に2つのアレルギーによっておこります。

酸化染料に含まれる【ジアミン】に対するアレルギーと、【アルカリ】に対するアレルギーとに分かれます。

それぞれ症状に違いがあり、ジアミンアレルギーかゆみや違和感、呼吸器系に異常があらわれ、アルカリアレルギーピリピリするとか痛いなどの刺激を感じるものです。

これを防ぐために保護クリームなどを事前に塗っておくのですが、ひどい場合にはカラーの施術自体を考える必要もあります。

特にジアミン系のアレルギーは最悪命にかかわる可能性もあるのでしっかり頭に入れておいてください。

ここまででアルカリカラーがどのような原理で染まるか、1剤と2剤についての詳細が理解できたかと思います。

ではダメージはどうなのでしょう?

 

アルカリカラーのダメージについて

カラーをすると傷むというのはお客様でも知っていることですが、そもそもどんな原理でダメージがでるのでしょう?

ここは大事な部分なのでしっかり理解してほしい。

まず、本来健康毛でキューティクルもコルテックスもメデュラも整っている状態の髪をアルカリ剤で無理やりキューティクルをひらきます

そして内部で化学反応がおこっているわけですが、それにより安定していた結合が崩れます

ケラチンや繊維間に走っているCMC(キューティクルやコルテックス細胞同士はCMCで接着されている)もキューティクルが開いているために外に出やすい状態なのです。

簡単に言うと薬剤によって髪内部の必要成分が流れ出やすくなっているということ。

これはしっかり自分の中に落とし込みましょう。

原理は覚えておいて損はないのですが、お客様に説明する分にはこれで充分です。

そしてカラーの時におこるダメージの原因はこれだけではありません

見落としがちですが、カラー剤を塗布している状態は濡れている上にアルカリ剤によってキューティクルが開いている状態です。

その時にコーミングすると内部の栄養素もさらに抜け出やすい

このように物理的な刺激によってもダメージはさらに促進されるので、カラーの際にはコーミング1つとっても気をつける必要があるのです。

塗布する前にキレイに梳かした状態で優しく塗布するように心がけましょう。

そしてカラーの後の後処理の仕方次第で髪のダメージの軽減だけでなく色味の持ちにも影響を及ぼします

これは本当にするしないで大きく変わるのでしっかり後処理はしてもらいたい

上で髪のpH値について書きましたが、髪は健康毛であればpH4.5~5.5ですが、アルカリカラーをするとpH値がアルカリに傾いてしまいます。(大体pH9~11の間)

髪内部にアルカリ剤が残留していると必要以上にメラニン色素を分解するだけでなく染めた染料さえも分解していきます。

染料ごとの適正な放置時間(これはまた別で書きます)の後に必要な後処理としてルカリ除去のための処理剤や過酸化水素水も除去する処理剤などを使用します。(流れでるCMCのケラチンやコラーゲンCMCの補充を先にしておくこともある。詳しくは処理剤の記事で書いていきます)

これらをする事でアルカリに傾いていたpH値9~11を大体8くらいを目安にpH値を落とすように処理します。(大体3程度落とすイメージ。9なら6をめざす)

『ん?pH5くらいが正常値じゃないの?』

と思うかもしれませんが、美容室での処理で8以下まで一気に下げ過ぎると過収れんをおこして手触りも悪くなるのと色味の変色もおこしてしまいます

イメージとしては開いたキューティクルをある程度そっと閉じてあげる感じです。

そして家でのケアで徐々に正常な状態に戻していくことでカラー後の処理が完了することが望ましい

なので家に帰ってからのお客様自身にしてもらうホームケアが大事になってきます。

カラー後大体1週間ほどをかけて正常値に戻していくのです。

カラー後に使用するシャンプーやトリートメントなどありますよね?

1週間だけカラー後用のシャンプーやトリートメント、もっとしっかりしたいお客様にはバッファー剤をおすすめしてあげましょう。(やり過ぎはよくないのでよほど気にされる方や知識のある方でない限り必要ないでしょう)

 

ここで覚えておいてほしいことをまとめます。

  • 薬剤によって必要成分が抜けてダメージがでること
  • 物理的な刺激によってダメージがでること
  • カラー後の後処理次第でダメージの度合い、色持ちが変化する

これらをしっかり理解することでダメージを最小限に抑えられます。

お客様にもホームケアの大切さをしっかり教えてあげましょう。

 

アルカリカラーのケミカル知識まとめ

アルカリカラーの理解がある程度深まったのではないでしょうか?

1章ではアルカリカラーの1剤2剤がどんなものであるか、染まる原理、アレルギーについて書きました。

どれも大事なのでしっかり自分の中に落とし込んでほしい。

そして割と軽く考えがちですが、アレルギー反応には十分気をつけましょう

パッチテストも面倒かもしれませんがしっかりカウンセリングし初めてカラーをする場合などは行うことが大事です。

カラーの施術の前にはアレルギーがあるかどうかの確認は絶対とりましょう。

それによって施術の仕方を変えたり、カラー剤の選択を変えたりなど対処ができるからです。

2章ではダメージについて書きましたが、主に薬剤による必要成分の流出によるもの、物理的な刺激によるもの、適正な後処理がされないことでのダメージの促進です。

これも知っているのと知らないのとでは大きく差がでてくるところなのでこちらもしっかり自分の中に落とし込んでいきましょう。

お客様100人いれば100通りの髪の状態です。

今までの履歴などを参考により良いスタイルを提供できるようにしていきましょう。

 

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