- ヘアカラーで要望通りの色味を出したいけれど補色の割合は何が正解?
- ヘアカラーで補色を考えないと失敗するって言うけど何で?
- そもそも補色って何?そんなに重要なの?
と悩んでいませんか?
実は、この記事で紹介するヘアカラーと補色の割合より先に気にすべきたった1つのことがしっかり理解できれば、上記の悩みを解決できます。
なぜなら、まさに自分が同じ道を通ってきたからです。
この記事では、ヘアカラーと補色において割合を考えるより先にまず気にすべき1つのことが明確になります。
記事を読み終えると、今後ヘアカラーをしていく中で補色を考える時、難しいと感じていたヘアカラーと補色の関係がシンプルに考えられるようになってお客様に喜んでいただけるだけでなく、ヘアカラーの色選びが格段に拡がってカラーの面白さにハマっていくことでしょう。
ヘアカラーの薬剤選定においてお客様の要望通りの色味とトーンを出すのに補色は無視できません。
ヘアカラーでは補色は必ずつきまとう切っても切れない関係なのです。
しかし逆に補色が理解できればヘアカラーで狙った色味を出しやすくなるということです。
使いこなせればあなたのカラーのレベルがさらにアップするのでしっかり自分の中に落とし込んでいきましょう。
それぞれの補色の関係を知ろう
そもそも補色とはなんでしょう?
有彩色である2つの色を混合させたときに、無彩色になる組み合わせを互いに補色といいます。
余色、対照色ともいいますが、わかりやすいのは反対色でしょう。
まずはその補色になるそれぞれの色の関係性を知ることから始めましょう。
ヘアカラーの色相環をみるとお互いの補色の関係はわかりやすいです。
それぞれの色の対角線上にあるのがその色の補色です。
- 赤⇄緑
- オレンジ⇄青
- 黄⇄紫
このように反対に位置する色がお互いの補色になります。
ヘアカラーの補色同士を組み合わせると無彩色になりますが、割合が1:1のように単純じゃないのが難しいところ。
そこはベースの色味がどの程度なのかと希望の色味が何なのかによって大きく変わるのでしっかり判断していきましょう。
ベースの色味だけでなく、もともと髪が持っているメラニン色素の色も踏まえて考える必要がある場合もあります。
健康毛がまさにそれです。
それについては下で解説していきます。
また、ヘアカラーの補色はよく反対色としてあげられますが、補う色としての考え方もあります。
これも結局反対色の関係性がしっかり理解できれば同じなのですが、わかりにくいので補う色としてあげておきます。
こちらに関しては例を踏まえて下で解説していきます。
それぞれの補色の関係が理解できたら実際の例も踏まえてみていきましょう。
実際の事例でヘアカラーの補色を考えよう
分かりやすいのはブリーチされてキレイな黄になった髪をアッシュに染めたい場合です。
そのままアッシュ単品をのせた場合緑になりますよね?
元のベースが黄なので青だけ混ぜると緑になってしまうわけです。
そこで補色の登場です。
黄の補色は紫なので、アッシュにヴァイオレットを混ぜたものをのせることで黄と紫で無彩色となり残るアッシュになるのです。
こうやってみると単純なのですが、難しいのがその割合です。
黄と紫だと紫のほうが色味が強くなるのでヴァイオレットの割合を少し抑えめにする必要があるということも頭に入れておきましょう。
おさえすぎると青が強くでてしまい結果緑になるので適度な割合で混ぜる必要があります。
ベースの黄がどの程度かにもよるのでしっかり判断することが大切です。
ではアッシュではなく白にすることを考えてみましょう。
無彩色にするということですね。
これで白になる割合がわかれば、混ぜあわせる割合が自然とわかるようになっていきます。
ブリーチで極限まで脱色した場合でも完全な白になることは稀です。
薄い黄味が残ります。
そのベースの色味に対してただ紫をいれるとほぼ紫になります。
なのでクリアをベースにして少しのヴァイオレットを混ぜるのです。
薄い薄い紫を塗布することで白になります。
ベースにどの程度の色味が残っているかが重要だということをわかっておきましょう。
ブリーチで黄まで抜けたベースの色はほぼ単色なのでわかりやすいのですが、これが新生毛だとまた話が変わります。
見た目の色は黒ですが、その黒がどんな黒かにもよります。
髪が太く、真っ黒であればユーメラニンが多く含まれていますし、髪が細く地毛が明るめであればユーメラニンがそこまで多くはないと考えます。
例えば髪が太く真っ黒な髪の方を9トーンのアッシュに染めたい時に、そのままアッシュ単品で染めたら思ってた色と違ったなんてことがありませんか?
どちらかと言えばヴァイオレットに近い色になってたり。
髪がなぜ黒なのか?ということがわかっていないと難しいので、まだ読んでなければ
を先にご覧ください。
アルカリ剤がメラニン色素を分解する際9トーンだとユーメラニンの分解で手一杯でフェオメラニンが多く残ります。
赤みが強く残るということですね。
そこに青が入るのですから結果紫よりの色味がでるということです。
髪が細く地毛が明るい人はアッシュ単品でも割とキレイなアッシュになりやすいのはユーメラニンだけでなくフェオメラニンの赤味に対しても分解が進んでいるためです。(もしくはフェオメラニン自体の割合も少ない)
残る色素は薄い赤と黄なのでベースの色は赤ではなくオレンジです。
オレンジの補色である青は互いに影響し合い無彩色として透明感をだし、割合の多い青が発色しきることでキレイなアッシュになるわけです。
では真っ黒な髪の方はどうすればアッシュになるのでしょう?
赤味が残っているのですから、マットを混ぜればよかったのです。
ベースの赤を緑で打ち消し合い、残った青が発色するのです。
そしてメーカーの、その中でもカラー剤の種類にもよりますが、もともと日本人の髪の黒を染めることを念頭において最初からカラー剤にマットの染料をいれているものもあります。
そこは各美容室で使用しているメーカーやカラー剤の種類次第になるので興味があればディーラーに確認してもいいでしょう。
まあ超ハイダメージ毛を扱わない限りそこまで神経質になる必要はないでしょう。
そしてもう一つ、上で少し触れた補う色について。
例えばオレンジベースの髪をビビットなレッドにしたい場合などです。
今までの話でどうすればいいのか大体想像できると思います。
同系色なのでそのまま赤をいれてもいいような気もしますが、それではビビットなレッドにはなりません。
仕上がりは朱色でしょうか。
じゃあ今までの考え方からいくとレッドにアッシュを混ぜる?
それも1つの正解なのですが、ヴァイオレットをのせるのです。
ヘアカラーの色の三大原色は赤、黄、青で構成されているので、紫は赤と青が混合されているものと考えます。
なので紫の赤と青のうちの青とオレンジが打ち消し合い赤が強く発色することでビビットのレッドをだすのです。
ベースのオレンジがどの程度赤よりか黄よりかによってヴァイオレットに赤をまぜるか青を混ぜるか使い分けるといいでしょう。
ヘアカラーと補色は切っても切れない関係
いかがでしょう?
ヘアカラーと補色が切っても切れない関係だということが良くわかったかと思います。
狙った色味を出すにはどうしても無視できないのがこの補色です。
ヘアカラーでの補色はしっかり理解しておきましょう。
そして最終的に色味を選定するのに必要なのが
『ベースの色がなんなのか?』
というところにいきつきます。
お客様のもともとのメラニン色素の割合や色味にも左右されますが、そこが正しく判断できれば希望の色味をベースに補色の割合を考える事で狙った色味を出しやすくなります。
ヘアカラーをするにあたってこの色にしたい場合の補色の割合はこれ!という正解はありません。
100人いれば100通りの髪の状態なのですから。
だからこそタイトルにつけたとおり、割合より何よりまず先に気にすべきは
『ベースの色は何か?』
ということを考えることです。
ここが正確にわかればヘアカラーでの補色の選定をシンプルにすることができます。
狙った色味もだしやすく、お客様にもきっと喜ばれることでしょう。
そのためにも
も合わせて理解しておきましょう。
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